- 気になる眠りの質と肥満との関係についてご説明します。
睡眠と肥満の関係
近年、米国の大学の研究で 睡眠と肥満に関する研究結果が発表されました。睡眠時間が短いと肥満になりやすい、という結果です。
睡眠時間が短いと食欲を促進するグレリンというホルモン物質が多く分泌され、食欲を抑制するレプチンというホルモン物質が減少することからホルモンバランスが崩れ、食べ過ぎてしまいます。これにより摂取カロリーが増大することから肥満につながるというわけです。このほか、血糖値が高くなり動脈硬化を早める中性脂肪が増加したり、動脈硬化を防ぐ作用がある善玉コレステロールが減少したりするという報告もあります。
逆に睡眠時間が長すぎても同じような傾向にあるという研究結果も出ていて、睡眠時間が短くても長くても生活習慣病の発症リスクを高めてしまいます。
ちなみに睡眠時間が平均して7時間前後の場合がもっとも生活習慣病になりにくいという研究結果があります。
しかしこれはあくまでも統計的な研究結果のため、必ず7時間眠らないといけないというわけではありません。適切な睡眠時間は人によって異なります。7時間の睡眠をとっても日中に眠くなったり疲れを感じるようなことがあれば適切な睡眠時間ではなかったり、睡眠の質の低下の影響が考えられ、健康に悪影響を与えてしまう可能性があります。このため、睡眠は時間のみならずその「質」も重要な要素となります。自分の睡眠の状態を知るには
睡眠時間は、寝入ってから起きるまでの時間と、実際にからだと脳が休息して眠っていた時間の2種類あり、これらは異なる場合があります。この実際に眠っていた時間の割合を睡眠効率と言い、睡眠の質を表す1つの指標となります。
また、睡眠の状態は一律でなく、深い眠り・浅い眠りの状態があります。入眠直後の深い眠りの時に成長ホルモンが分泌され、この成長ホルモンは日中にキズついたからだの組織の修復や疲労の回復、成長期ではからだの成長を促します。しかし、眠りが浅いとこのホルモンの分泌が少なくなり、一日の疲労が十分に回復しません。このような状態が長く続くと健康を害してしまうというわけです。
この睡眠の深さを知るには睡眠の専門外来やクリニックなどで行われる終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)しかありませんでしたが、いつでも受診できるようなものではありませんでした。
睡眠計でわかること
睡眠計は自分では把握することが難しい睡眠の状態を計測することができます。前述した睡眠に関する時間と睡眠効率、睡眠の深さの全てをはかることができます。
具体的には睡眠の深さの変化を示す「睡眠ステージ」、睡眠ステージを客観的に評価した「睡眠点数」、睡眠状態からの「睡眠タイプ」、睡眠タイプ毎の「快眠アドバイス」、睡眠に関する数値の標準値との比較を行える「分析結果」、いつ寝ていつ起きたかと睡眠の長さを視覚的に示した「睡眠日誌」、毎日使用することで日々の睡眠時間・睡眠点数の変化を把握できる「推移グラフ」を表示し、さまざまな角度から睡眠を分析することができます。
人の行動や活動が毎日違うように睡眠の状態も毎日変化します。睡眠点数も上がったり下がったりしますが、一日一日の点数の変化に一喜一憂するのではなく、長期的に使用して、推移グラフで睡眠点数の推移を捉えることを推奨しています。一定の睡眠点数をキープできているのか、上昇傾向なのか、もしくは下降傾向なのか確認することで日々の生活習慣が睡眠にどのような影響を与えるかが分かってきます。
また、メモ機能もあり、普段とは違った行動やイベントがあった場合、記録を残すことができます。さらに睡眠に関係する飲酒、運動、昼寝、病気の4つのチェックボタンもあります。これらを記録することにより、生活習慣の睡眠に与える影響をより具体的にとらえることが出来ます。
例えば睡眠点数が下がって来た場合の振返りに使用して生活習慣を元に戻すきっかけとすることや、快眠アドバイスを参考にしてより良い睡眠をとるためのサポートに使用することができます。